【城南ゼミ】通知表廃止を導入した学校が出てきました。
福岡市 城南区 の 個別指導学習塾 ドリーム・チーム 城南ゼミナール です。 岐阜県美濃市の全小学校が、小学1年生に対して通知表を廃止する決断を下しました。 <小1の通知表を廃止、「自己肯定感が下がる」との意見受け…岐阜・美濃市「評価に縛られず伸び伸びと」> https://command-ex.com/L3926/b1964/99621 従来の通知表発行による「◎・○・△」による3段階評価をやめ、これに代わって文章による総合所見の修了証を手渡すという形です。 児童が「評価」やそれに基づく他者比較に捉われ、自己肯定感が下がるのではないかとの懸念からの措置で、通知表を発行するのは3年生からにするとのこと。 賛否はあるのかもしれませんが、いやー、思い切った判断ですよね。 これは一見すると、小学校低学年に限られた話で、私たちにはあまり関係ないニュースのように思われるかもしれません。 実際に同市でも、小学3年生からは従来通り通知表が配布されるわけですし、中学生、さらには高校・大学進学を見据えた学習においては、通知表の内容が進路に直結するため、評価そのものの重要性は今後も揺るがないでしょう。 しかしこの動きは、中高生にとっても、決して無関係ではないように感じます。 通知表廃止の背景にあるのは、「数字による評価が、子ども同士の比較や自己肯定感の低下に繋がるのではないか」という懸念、あるいは評価主義的な教育そのものへのアンチテーゼです。 これは学校教育に対する問題提起であると同時に数字を主な指標にしてきた私教育のあり方にも問いを投げかけていると感じます。 実際、保護者さんも生徒さんも「通知表の評価を上げてほしい(上げたい)」「英語が3から4になってほしい(したい)」といった、具体的な要望を持って塾の門を叩きます。 しかし、たとえ小学校低学年のみとは言え、「通知表がない」世代の子どもを育ててきた保護者さんたちは、以前よりも「言葉によるフィードバック」や「子どもへの心理的配慮」に敏感になるでしょう。 今後、こうした価値観を持った層が中学生の保護者さんになるころ、塾に求められる期待値も変化してくる可能性があります。 「テストの点が20点上がりました」といった報告も嬉しいですが、「自分から問題を解く意欲が見えた」「失敗しても再挑戦する姿勢が出てきた」といったプロセスの承認や学習習慣の変化の報告が、より保護者さんの心に届くようになるかもしれないということです。 では、通知表による評価のある中学生相手に、承認型の声かけやフィードバックを導入することは矛盾するのでしょうか。 私は、そんなことはないと思います。 むしろ数字で評価される年齢だからこそ、数字に囚われすぎない「価値の伝え方」も必要になるはずです。 例えばテストの点数が思うように上がらなかった生徒さんに対して、ただ「今回は平均点を下回ったね」と伝えるよりも、「ワークの提出が前回より早くなったね」「ケアレスミスの数が減ったね」といった声かけを積み重ねたほうが、生徒さん自身が成長を実感しやすくなるはずです。 この自己効力感の積み重ねが、結局は持続的な成績向上にもつながっていきます。 学習はスプリントではなく、長距離走なのですから。 結論として、通知表廃止の動きが、今すぐ中高生の指導に変化を与えるわけではないと思います。 しかし、数年後には「評価より承認」「点数より変化」を大切にする保護者さんが、着実に増えていくはずです。 塾の現場においても、「点数を上げる」ことと「自信を育てる」ことを二項対立にせず、両立を目指す視点が大切だと思います。 そのためにも、数字の奥にある「その子なりの努力」や「行動の変化」に目を向け、それを丁寧な言葉で伝える力――すなわち「承認の技術」を、塾もご家庭も今から育てておくべきではないでしょうか。 小1の通知表廃止は、まだ一部の自治体の取り組みにすぎませんが、これを日本全体に変化を及ぼす“前兆”と捉えることもできるはずです。 数字中心の塾運営に慣れすぎていると、変化する保護者さんの期待値に取り残されるリスクもあります。 数字とことば。評価と承認。 どちらも大切にできる塾こそが、今後、選ばれる存在となっていくように思います。