志望校選びに重要な視点が「通学時間」である理由
こんにちは! 今日は志望校を選ぶときに見落とされがちな「通学時間」にフォーカスしてみたいと思います。校舎のきれいさや偏差値ばかりに目が行くと、毎日の往復が子どもと家計にどんな影響を与えるかを忘れがちです。そこで今回は「なぜ通学時間がこんなにも大事なのか」を、親御さん目線で整理しますね。 いつの間にか食い込む“移動コスト”です 一般論として「近いに越したことはない」と言われます。ただ、数字でイメージしていないと危機感が薄れます。片道45分なら往復90分、週5日で7時間半、1年だと約270時間にもなります。これは中学生の夏休み丸ごと1回分です。思ったより大きな数字です。 体力と集中力を削ります 電車内で宿題をするから大丈夫と思いたくなります。しかし揺れる車内で集中し続けるのは難しいです。朝のラッシュならなおさらです。睡眠が足りないまま立ちっぱなしで到着すると、1時間目の授業で船を漕ぐこともあります。結果として「授業を受けに行くための移動」で授業の質を落としてしまう逆転現象が起きます。 家族のタイムテーブルを左右します 通学時間が長いと、朝ごはんや夕食の時間がずれます。親御さんが帰宅しても子どもはまだ帰路のバスの中、なんて日も出てきます。家族そろって話せる時間が短くなると、成績の変化や友人関係の悩みをキャッチしにくくなります。コミュニケーションの密度は意外なほど時刻表に縛られます。 塾や習い事の選択肢が狭まります 夕方17時に下校しても、家に着くのが19時ならオンライン以外の習い事はほぼ不可能です。「勉強も部活も両立させたい」という理想が、時刻だけで崩れることがあります。スマホの地図アプリで帰宅時刻をシミュレーションし、帰宅後に30分でも余裕があるか確認すると現実が見えます。 交通費は“隠れ固定費”です 定期代は家計簿に載るので気づきやすいです。しかし私立の場合、部活の朝練や補講で休日登校が増えると追加の運賃がかさみます。子どもが中学3年生なら3年間で数十万円単位になることも珍しくありません。学費無償化の恩恵が交通費で相殺されるケースもあります。数字で比べると差は歴然です。 安全面にも目を向けたいです 朝6時台に薄暗い駅まで自転車で向かうか、帰宅が21時を過ぎるかで、リスクは変わります。本人の防犯意識が育つ前に長距離通学を始めると、不安が尾を引きます。「明るい道を選べるか」「駅から家まで人通りがあるか」を下見で確かめると想定外を減らせます。 とはいえ、長い通学が必ず悪ではありません 読書が好きな子なら電車での読書時間が宝物になります。友達と一緒に通う路線なら社交の場にもなります。要は“時間を奪われる”のか“投資に変える”のかの見極めです。本人が通学中に何をしたいかを先に聞き、目的に合う長さかどうかを判断すると納得感が高まります。 目安は「片道60分」を境界線にしてみてください 60分を超えると、睡眠・家庭学習・部活・家族時間のどれかが削られることが多いです。実際には乗り換え回数や混雑度も影響します。朝の通学ラッシュ時間帯でシミュレーションし、家を出てから教室に着席するまで計測すると数字がクリアになります。オープンスクールの際に試してみるとリアルです。 家族で“時間の家計簿”をつけると見えてきます 紙に1日の24時間を横並びに描き、「睡眠」「勉強」「部活」「移動」「ごはん」を色分けしてみてください。移動の帯が長いと、他の帯を短くしないと24時間に収まりません。時間はお金と違って貯金できません。視覚化すると腹落ちしやすいです。 というわけで、今日のまとめです 通学時間は年間で数百時間を奪います。 体力・集中力・家族時間への影響は想像以上に大きいです。 交通費や安全面も含めて「時間とお金の両方」で比較してください。 片道60分を超えるなら、通学中の過ごし方を具体的に決めてから志望校を選ぶと安心です。 子どもにぴったりの学校は、偏差値だけでなく“毎日のタイムスケジュール”にも隠れています。少し先の未来を時間軸で描いてみると、志望校の輪郭がよりクリアになります。家族みんながスッキリした気持ちで受験シーズンを迎えられるよう、ぜひ今日のお話を家での作戦会議に役立ててください。