2025.06.14
都立高校入試の分割後期募集がなくなります!
昨日(2025年6月13日)東京都教育委員会から、「令和8年度東京都立高等学校入学者選抜における実施方法の変更について」が発表され、令和8年度募集から、従来実施されていた「分割前期募集」、「分割後期募集」を廃止し、他の多くの高校と同じく「第一次募集」で定員すべてを選抜することが明らかになりました。
分割前期募集、後期募集とは、後述する田園調布高校の令和7年入試を例にとると、定員236名のうち48名を1月実施の推薦入試で募集したあと、176名を分割前期、12名を分割後期で募集するという形で、推薦以外の一般入試を前期、後期の2回実施していたものです。令和7年入試では、18校が実施していました。その「後期分」の募集がなくなり、先にあげた数字なら176+12=188名全員を、第一次募集で選抜するということになります(定員が減るわけではありません。また令和8年度の募集人員はまだ発表されていません)。これは今まで、一次・分割前期で不合格となっても、分割後期でもう一度都立高を受験して、合格・進学するチャンスがあった「受け皿」がなくなることを意味します。
このことから容易に想像できるのは、3月実施の分割後期募集で成績上位層が集中していた田園調布高校に、その層が入らなくなるということです。数年前まで、分割後期最上位の同校には、一次(・分割前期)で日比谷や西、国立を不合格となり、「どうしても都立」を希望する成績上位者が入学していたはずです。その層が田園調布高校に入学する可能性が、ゼロになるわけです。もっとも同校の分割後期の募集人数は今年令和7年入試で12名にまで縮小されていましたから、同校を含む東京都としては、予定していたことだったのかも知れません(前年の20名から12名に縮小されていたことは、3月5日の当記事でもお伝えしています)。
もともと言問学舎では、「二次募集と分割後期はないものと考えろ」という指導方針ですから、高校入試制度の分析、助言をつづけている立場からお伝えするものであり、多くの受験生の入試戦略に大打撃となることはないと思われます。しかし「都立の二度目の受験がなくなる」ということが、受験生にとっては大きな変更であることは間違いないでしょう。東京都での(いわゆる)「授業料全面無償化」がはじまってから、先述したような「日比谷、西、国立の一次受験者が分割後期で田園調布へ」という実例は激減していたかも知れないですが、私立で授業料以外にかかる施設費・諸費のことを十分検討しながら、「私立推薦、都立推薦、私立一般、併願優遇、都立一般(第一次募集)」という多数の機会がある「選択肢の豊富な高校受験」を考えるという方向に、より強くシフトしていくことになるのでしょうね。
なお、都立高校の3月入試が完全にゼロになるわけではありません。分割後期募集が廃止されても、現状では、二次募集の可能性がなくなるものではないようです。二次募集とは、一次の合格発表のあとに「入学手続き」が行なわれ、そこで定員を満たさなかった時に、追加募集をするものです。今までは分割後期と同時に実施されていたわけでから、大きく様変わりすることでしょう。
「情報」と言えば、東京都限定のことではなく、「公立併願」を解禁しろ、というニュースを今年になっていく度か目にしています。令和8年の都立高入試においてはないでしょうが、令和9年以降、第一次募集の時に「併願」できる形が導入されるようなことも、あるかも知れません。ますます目の離せない高校入試制度の改変と言えます。今後も情報を注視して、わかることがあればすぐお知らせしたいと思います。
言問学舎では、来週18日(水)から夏期講習説明会を実施致します。6月分の日程のみ、お知らせ致します。
◇夏期講習説明会
6月18日(水) 14時00分~
6月21日(土) 10時15分~ / 13時00分~ / 17時00分~
6月25日(水) 14時00分~
6月28日(土) 10時15分~ / 13時00分~ / 17時00分~
※所要時間は各回とも50分程度を予定しています。予約不要、当日飛び込み参加可ですが、全体説明後の個別相談は予約を含む先着順となります。
0