2025.05.19
経験 [教室長:松本]
小学校低学年の頃、何もない南オーストラリアのアデレードという町で数年間過ごしたことがあります。
突然の引っ越しで、友人もなく、近所にお店もなく、ゲームもなく、テレビからは言葉のわからない映像が流れ、学校は技能科目以外は理解できませんでした。それはまるで広大な閉鎖空間にいるようでした。
家にはプールがあり、歩きつくせないほどの庭があり、そこに太いユーカリの木が一本立っておりました。そのユーカリの木を見上げてコアラがいないか何度か確かめたものです。
出かける時は靴に毒蜘蛛が潜んでいないか確かめるために床に叩いてから履きました。
マレー川へ家族旅行に出かけた時、茶色く濁った川を何時間も船で移動しました。
モーテル(ホテル)へ向かうと無数のハエに襲われました。
オーストラリアの帽子にはハエよけとして、コルクがぶら下がっております。顔をぶんぶん横に振ると、それがハエよけになるというのです。
残念ながら、私はヤクルトスワローズの野球帽しか持っていませんでした。
今でも私にとってオーストラリア時代が良い経験だったのかどうかわかりません。
あの頃の自分の写真は、いつも眩しそうな表情をしております。ただただ眩しかっただけかもしれません。
どんな経験も、それが良いか悪いかではなく、事実として残っていくだけです。
ただし、作文を書く時は「その経験を経てこのように成長した」と書いてください。
最近、私にも趣味と呼べるものができました。それは「掃除」です。
家中、掃除するのですが、最近の悩みは掃除をする箇所が見つからなくなったことです。
さて、本日も生徒たちのお勉強をしっかりフォローさせていただきます!
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