【城南ゼミ】大学ランキングを通して、子どもたちに教えてあげたいこと
福岡市 城南区 の 個別指導学習塾 ドリーム・チーム 城南ゼミナール です。
今年の「世界大学ランキング」が発表されました。
<“世界大学ランキング” 東京大学は28位 京都大学は55位>
https://command-ex.com/L3926/b1964/148552
記事の見出しにもあるように、このランキングが発表されると
毎回注目されるのが「日本の主要大学は何位だったか」という話題です。
もちろんそれはそれで良いとは思うのですが、
これを話題にして子どもたちと話をするなら、どんな着眼点で話すと良いでしょうか?
確かに、単に東大が何位だったとか、
世界に比べると日本の大学はまだまだだとか、
ちょっとした雑談や話の掴み程度にそうした切り口になることが多いと思うのですが、どうせならより生徒さんの糧になるような話をしてあげたいですね。
そこで今回は、、、
「塾が大学ランキングを話題にするとき、伝えてあげたいこと」
というテーマで考えてみたいと思います・・・!
そもそも、このいわゆる“世界大学ランキング”にもいろいろ種類があり、評価基準なども異なることはご存じでしょうか?
リンク記事で紹介したのはそのうちの一つで、イギリスの権威ある教育誌「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション」が取りまとめたもので、通称「THE 世界大学ランキング」と呼ばれます。おそらく「世界大学ランキング」と聞いて、真っ先に取り上げられることが多いのが、このランキングなのではないでしょうか。
その基準は「大学の教育環境(学士号の取得率や、学生と教員の比率など)」「研究の量や引用数」などに重きが置かれています。
しかし他にもグローバルな知名度や国際性が重視される「QSランキング」や、ノーベル賞や著名な研究者の排出数が重視される「ARWUランキング」、研究成果が重視される「US Newsランキング」などがあるわけです。
当然、その結果としての順位にも違いがあります。
したがって、生徒さんに話すときにまず伝えてあげたいのが
「何をもって『いい大学』とするのかは様々な見方があり、一概に決められるものではない」
ということではないかと思います。
それは、国内の大学だけで比較するにおいても同じです。
塾という機関の特質上、ついMARCHだの関関同立だのという難易度や偏差値基準のくくりで生徒さんに話してしまうことってあります。
しかし、それぞれの大学は理念や教育環境もまったく異なる存在です。
本来は括って語るようなものではないのです。
(実際、大学側も嫌がっていますしね……)
もちろん、各大学の入試難易度を比較するために便宜上使うのはアリかと思うのですが、志望校選びの方法として「MARCHのどこかに入りたい」といった考え方をするのは、本当ならズレていると言えるわけです。
できるだけそうならないような進路サポートやアドバイスをしてあげたいところです。
そこでまず大事なのは、先述のように「ランキングの評価基準は異なる」と教えてあげることではないでしょうか。
そしてその際、「自分が重視するポイントが何か」を考えさせることが大切です。
例えば将来の就職を重視するならQSやTHEランキングが有用かもしれませんが、研究活動を大事にしたいならARWUが参考になるかもしれません。
次に、大学のランキングは有益な情報源の一つですが、それだけに依存してしまうと、重要な情報を見落としてしまう可能性があります。
例えば、ランキングが高い大学でも、自分が興味のある専攻に力を入れていない場合もありますし、逆にランキングが低めでも特定分野で世界的に評価されている大学もあります。
「どの大学が自分にとって最適か」という視点を持ち、オープンキャンパスに行ったり、卒業生の声を聞いたり、もっと個別に情報を集めることの重要性を伝えます。
それと絡んで、「大学のランキングの数字だけに惑わされないこと」も強調してください。
実際に通う大学での生活、キャンパスの環境、学習内容や教授陣との相性も非常に重要です。
高いランキングに位置する大学が必ずしも子どもにとって最適な場所とは限らないため、「ランキングは大学を理解するためのツールの一つに過ぎない」と言えます。
例えば、「THE」や「US News」のランキングでは研究成果が重視されるため、学部レベルの教育が必ずしも高評価されているわけではないのです。
「研究を重視するのか、それとも学びの環境を重視するのか」を考えさせるのも良いでしょう。
そもそもこうした大学ランキングには、特定の国や地域、学問分野に偏りがあることもあります。
例えば、アメリカやイギリスの大学が上位に多くランクインすることが多いですが、それは、それらの国に有利になるようにランキングの評価基準が設定されているからだという指摘は以前からありました。
子どもたちに「ランキングの背後にある構造」を理解させ、必ずしも、「順位が1位=1番良い教育を提供している」ではないことを説明してあげてる必要があります。
最終的には自分が何を学びたいか、どの環境で成長できるかが最も重要であり、多面的な視点で大学選びができるようにしてあげたいですね。