【城南ゼミ】学校の授業時間が5分短縮!?そのとき塾ができること
eラーニング関連のサービスを提供する「イー・ラーニング研究所」が、興味深い調査結果を発表がありました。
次期学習指導要領改訂に向けて議論の対象になっている学校の授業時間短縮に関して保護者の意識を調査したものです。
<小中学校での授業時間短縮に対する意識調査>
https://command-ex.com/L3926/b1964/47911
まだ決定ではないものの、文科省は公立小中学校の授業時間について現行から5分短縮し、小学校で40分、中学校で45分とする案が俎上に載せられています。
ポイントは、短縮した分の時間を各校の裁量で(自由に)別の取り組みに使おうという考えがあることで、ここで注目したいのは、その余剰時間を(保護者は)何に使って欲しいと考えているかです。
授業時間短縮に賛成する保護者に尋ねたところ、最も多かったのは「コミュニケーション能力を育む教育」で、次いで「金融教育」、「日常的に使用できる外国語」、「プログラミングなどの情報」と続きます。
現代社会の情勢を色濃く反映した回答だと言えそうですね。
一方で、授業時間短縮に否定的な保護者も一定数いたようです。
その理由としては「(時間を短縮することで)詰め込みになり、ついていけなくなるのでは」という不安が最多に挙げられました。
ここは、大きなポイントだと思います。
次期指導要領がどうなるかはまだ分かりませんが、ここのところの我が国の流れでは、学ぶべきことがどんどん増えているのが実情です。
探究学習もそうですし、上述した金融教育や情報教育もその一部ですね。
つまり、
1回あたりの授業時間が短くなっても学ぶべきこと自体は減らないので、
子どもたちはかなり大変になるのではないかとも予測できるわけです。
さらに、学校の先生方は社会問題になるほど超多忙です。
ただでさえ学ぶべきことが増えているのに、ここへ来てさらに「学校の裁量で新たに何か有効的な取り組みをしてください」と言われても
正直なところ「もういい加減にしてくれ!」と思っている先生方は多いことでしょう。
1日の授業が6限目までだとして、1回につき5分短縮されるわけですから、1日30分の時間が捻出される計算になりますが、これが本当に有効活用できるのかは疑問です。
個人的には、何か新しいことを教えるよりも「30分早く子どもたちを帰らせる」のがベストなのではないかと思います。
そうすれば、その30分を先生方も事務仕事や授業研究に充てることができますし、結果として子どもたちと向き合う時間や、質の高い教育を提供することに繋がるのではないかと思うのです。
もう一つ気になるのは、授業時間が短くなることで
子どもたちの集中力への耐性が下がるのではないかということです。
学校の授業が40分とか45分なのに、塾に来ると75分とか90分とかになるわけで、下手をすれば2倍です。
ただでさえ、最近の子どもたちは集中力を保ち続けるのが苦手だと言われています。
動画は2倍速で見るのが普通ですし、2時間の映画は長すぎて見続けることができないという子もいます。
すぐに何らかの影響は出ないかもしれませんが、学校で40分や45分授業が完全定着するころには、何らかの対策が必要になってくるかもしれません。
国全体の動きも見ながら、しっかり対策していきましょう!