「櫻の樹の下には」
皆様、お読みいただきありがとうございます。 これを書いているときはちょうど新年度が始まった頃です。
桜も満開で、学校も始まりまさに「春」って雰囲気が街に溢れています。
桜といえば皆さまは「桜の木の下には死体が埋まっている」というフレーズを聞いたことがあるでしょうか?
私の中では非常に好きな言葉で桜の儚さと人を引き付ける魅力を上手くあらわした言葉であると思っています。
さて、このフレーズには当然元ネタがあります。
それは、梶井基次郎著「檸檬」という短編集の中の「櫻の樹の下には」という作品です。
この「檸檬」という短編集はぜひ読んでもらいたい作品です。
例えば「櫻の樹の下には」の冒頭は「桜の樹の下には屍体が埋まつてゐる!」から始まります。
この時代の小説で、「!」を使用し、しかもそれを冒頭に持ってくるセンスに思わず引き付けられて、
心を放しませんでした。
しかも、作品は日本文学史の中でもトップクラスに読みやすいものだと思っています。
なぜなら、梶井基次郎の作品は主人公の心境を主人公の目線で語り、
主人公の見た世界が書かれている作品で、今現在、主流の小説と非常に似ています。
また、主人公の心境を直接、小説にしたものなので出てくる言葉の多くが、
文語ではなく口語になっています。これも読みやすい要因の一つだと思います。
他にも詩的な表現が多く(それこそ「桜の木の下には死体が埋まっている!」のような)
思わず引き付けられますし、何より短編小説が多く、短い間にきれいに起承転結が
はっきりわかるのが読みやすい要因だと思います。
実はこの作品、インターネットで無料で読むことができます。(違法ではありません!)
皆様は“青空文庫”というサイトを知っていますか? ここでは著作権の切れた作品を掲載しております。
梶井基次郎の「檸檬」。この作品はほぼ確実に図書館にもあります。
“青空文庫”を使えばスマホからでも読むことができます。
是非、皆様この「檸檬」という作品を読んで下さい。
以上、今回はおすすめの本を紹介しました。 読書は人生を豊かにすると思っています。
どんな本でもいいです。興味のあることや好きな芸能人のエッセイでも最初はいいと思います。
これから、雨が多くなる季節になります。是非、本を読んでください。
そして、お子様に勧める本は自分が読んで面白かった本にしてください。