生涯賃金が高いからとりあえず大学に進学するのは、本当に正しいのか?
以前、大学と生涯賃金について調べたことがあった。
https://note.com/natsuno_kaze/n/n530f3dd3ba05
その時の結論としては
『偏差値40代の大学だとしても、生涯賃金という観点で見たら
学費を差し引いても十分に行く意味はある。』
という結論となった。
しかし、この時の疑問点として
大卒者の平均年収は、偏差値50の大学出身者の平均年収ではなく
偏差値40の大学出身者の平均年収と一致するというものがあった。
大卒者の平均年収なので、普通は偏差値50の大学の平均年収と一致しそうなものだが、実際はそうではなかったのである。
そこで今回は、この件についてもう少し詳しく調べてみることにした。
1 偏差値ごとの大学分布
まず最初に考えたのが
偏差値30代の大学が無数にあり、それらの平均年収が低いため
全体としての平均年収の立ち位置も下がっているという考えである。
そこで、大学の偏差値ごとの分布図を調べてみた。
http://tmaita77.blogspot.com/2015/05/blog-post_4.html
予想通り、上位の大学ほど少なく
下位に行くほど増えていく、ピラミッド型の分布となっていた。
この影響で、大卒平均年収に相当する偏差値も
下に引っ張られたのだろう。
2 偏差値30代の大学の平均年収はいくらなのか?
生涯賃金が上がるから、とりあえず大学はいっておいた方が良いとよく聞くが
この考えは少し雑だと思う。
大学はピンからキリまであるのに
それを一緒くたにしてしまっているからだ。
大学は投資の側面もあり
投資した額のリターンが見込めないのであれば、一度立ち止まって進学を考える必要がある。
もし損益分岐点のような偏差値帯があるのであれば、この仕事を続けていく上でぜひ知っておきたい。
だが、偏差値30代の大学は
どこを探してもそういったデータがないのが現状である。
3 偏差値と幸福度
次に、大学の偏差値と幸福度の関係という
少し違った角度から見てみたいと思う。
http://www.abef.jp/archive/event/2016/pdf_abst/B2_PR0027.pdf
それについては、こちらの論文で
すでに研究されていた。
結論を書くと、大学の偏差値と幸福度は関係がないが
国立大学と私立大学とでは、国立大学出身のほうが
幸福度が高いという結果であった。
しかし、サンプル数が少ないので
あくまでも参考程度に留めておく必要はあるだろう。
4 まとめ
大学にいく意味は人それぞれなので
一概に括ることは到底できない。
しかし、こうした現状を知った上で進学をするのと
ただなんとなく進学するのでは、その後の目的意識も
変わってくるだろう。