読書で読解力は上がるのか?
こんにちは!
今日は「読書をすると本当に読解力は上がるのか?」というテーマについて、みなさんと一緒に考えてみたいと思います。本屋さんや学校の先生、時には塾の先生まで「本をたくさん読みましょう」と口を揃えてアドバイスしてきますよね。実際、保護者の方から「うちの子、本を読まないんです…」「読解力が心配で…」といった相談を受けることも多いです。
さて、一般的には「読書=読解力アップの特効薬」というイメージがあります。確かに、本を読むことで語彙が増えたり、文章に触れる機会が増えたりします。これ自体は間違いではありません。ただ、「じゃあ、読書さえしていれば勝手に読解力が上がるのか?」と聞かれると、そこにはちょっとした落とし穴があるようです。
よくある話ですが、「本が好きで小説も漫画もよく読むのに、国語の読解問題になると点が伸びない」という子は意外と多いです。これ、なぜだと思いますか?答えは、読書で身につく力と、テストで求められる読解力には“ちょっとしたズレ”があるからです。
ここで「読解力」という言葉をものすごくざっくり言うと、「書いてあることを正確に理解し、必要に応じて自分の考えをまとめる力」です。でも国語のテストや受験問題では「作者の意図を読み取る」「本文中から根拠を探す」「設問に合った答え方をする」といった、かなりテクニカルなスキルが求められます。
一方で、自由に読書している時は「ここ面白いな」「なんかワクワクする」と感情に身を任せて読んでいることが多いです。映画を観て「泣けた~!」となるのと似ています。これはこれで大事な経験ですが、読解問題の「本文中の○○という表現はなぜ使われたか?」にいきなり答えられるわけではないです。
つまり、「本を読む=すぐに読解力が伸びる」というのは、ちょっと乱暴な公式です。ですが、じゃあ読書が意味ないのかというと、そんなこともありません。
読書が続いている子は、長文を読むことへの抵抗感が薄れます。語彙が自然と増えるので、難しい文章を読む時にも「あ、この単語聞いたことあるな」と思える回数が増えます。何より、「知らない世界をのぞき見する力」が鍛えられるので、興味を持てる話題や感情の幅も広がります。これは読解力の“土台”になります。
とはいえ、テストの点数や受験を意識するなら「読書+ちょっとしたコツ」を加えるのがオススメです。例えば本を読んだ後に「一番印象に残ったシーンはどこ?」「主人公はどんな気持ちだったと思う?」と親子で会話をしてみてください。これだけで、自分の頭で文章を整理したり、本文中の表現を根拠に話す練習になります。
また、たまには「要約ごっこ」をしてみるのも効果的です。家族で同じ短い物語やニュース記事を読み、「20文字で内容をまとめてみよう!」と遊び感覚でやってみると、要点をつかむ力が伸びやすいです。
「でもうちの子、本を読むのが苦手で…」という場合は、マンガや図鑑、雑誌でもOKです。最初から文学全集を渡す必要はありません。興味を持ってページをめくる体験があれば、それも立派な読書です。
というわけで、読書だけで全自動的に読解力が上がるわけではありません。でも、読書が「土台」を作り、そこに少し工夫を加えることで、確実に読解力を伸ばすことはできます。親子で楽しみながら、無理なく続けていくことがいちばん大切かもしれませんね。