私立高校授業料無償化って、本当に“タダ”なの?
こんにちは!
今日は「私立高校授業料無償化って、本当に“タダ”なの?」というテーマでお話ししたいと思います。制度が拡充されて嬉しい半面、思わぬ落とし穴もあります。せっかくの支援を取りこぼさないように、親御さん目線でチェックポイントを整理しますね。
そもそも無償化=0円ではないです
国の「高等学校等就学支援金」は、世帯年収が約590万円未満なら年間39万6,000円、約910万円未満でも11万8,800円が上限です。rakuten-insurance.co.jp
ところが私立高校の平均授業料は年間約50万円前後。つまり補助を差し引いても、数万円から十数万円が自己負担になるケースが普通です。「完全無償」の文字だけを信じていると、入学後に家計がギクッとなるのでご注意ください。
去年の収入で判定されます
所得判定は“前年の課税標準額”がベースです。春に転職して年収が下がっても、昨年が高所得なら対象外になる可能性があります。逆に昨年は低収入だったけれど今年は絶好調というご家庭は、支援を受けても翌年更新で外れるかもしれません。家計が揺れ動く時期こそ「今と来年、両方のシナリオ」を計算しておくと安心です。
手続きは学校経由、でも締切はシビア
就学支援金も自治体の上乗せ補助も、原則すべて「在籍校を通じて」申請します。願書といっしょにポンではなく、入学後の定められた期間に必要書類を提出しないと“もらい損ね”です。学校から配られるクリーム色の封筒を見落として未提出のまま夏休み…そんな例は実は珍しくありません。提出期限を書き出して冷蔵庫に貼るのは、わりと文明の利器です。
「上乗せ」は県ごとにルールが違う
東京都や大阪府などは、国の支援に加えて独自に最大60万円超を補助し、所得制限も撤廃する方向です。kobetsu.co.jppref.osaka.lg.jp
ただし、大阪府の場合は生徒と保護者全員が4月1日時点で府内在住など細かな条件があります。年度途中で転入・転出すると月割り計算になるので、引っ越しを予定しているご家庭は早めに日程を擦り合わせましょう。pref.osaka.lg.jp
授業料以外の“見落とし四天王”
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入学金:20万円前後は全国平均。補助外です。
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施設設備費・ICT費:校舎改修やタブレット代で年間数万円。
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制服・指定品:冬・夏・体操服+かばんで10万円オーバーも珍しくありません。
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遠征・修学旅行:部活や海外研修は別口座で積立が必要です。
「授業料ゼロだからトータルもゼロ」と思い込むと、受験シーズン終盤で青ざめるので要注意です。
通信制・単位制は補助額も年限も別枠
通信制の支援上限は年間29万7,000円です。mext.go.jp
さらに在籍年数が標準修業年限を超えると支給停止になるケースがあります。留年・転学を視野に入れるなら、卒業までのロードマップを学校側と共有しておくと安心です。
「無償化ありき」の学校選びは危うい
補助額を前提にすると、制度改正や家計変動があった瞬間にプランが崩れます。まずは ①学校の教育方針と子どもの相性 ②卒業までの総費用 ③通学時間 の三つを軸に考え、支援は“もしもの備え”としてカウントするくらいがちょうどいいです。
とはいえ、制度は使ってナンボです
書類集めが面倒でも、授業料数十万円は家計にとって大きな差です。学校に「この紙って何でしたっけ?」と電話しても怒られません。分からないことは早めに聞いて、堂々と頼りましょう。
というわけで、最後にまとめ
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無償化といえど自己負担ゼロとは限りません。
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判定は前年収入、更新制。家計の見通しを二年分描きましょう。
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上乗せ補助は自治体ごとに条件が細かいので、転居予定があれば要確認です。
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授業料以外の費用は別財布で準備しておくと安心です。
新しい制度は頼りになりますが、正しい情報と少しの備えがあってこそ“ありがたさ”が最大化します。お子さんの高校選びがワクワクだけで終われるよう、今日のチェックポイントを家族会議のネタにしてみてください。応援しています!