そのミス、本当に「ケアレスミス」ですか? 講師H先生より
問題を解いていると、誰しも少なからずミスをしますよね。
授業中でも、解答中のミスをよく見かけます。そしてその原因を尋ねると、多くの生徒がこう答えます。
「ケアレスミスです。」
しかし、その内容をよく見てみると、本当に“ケアレスミス”と呼べるのか怪しいケースが多いのです。
今回は、「ケアレスミス」とは一体どういうミスなのか、改めて考えてみましょう。
ケアレスミスとは?
「ケアレスミス」という言葉は、コトバンクによると、
不注意による誤り、軽率な間違い
と定義されています。
つまり、注意していれば防げたミスということになります。
たとえば、
暗算でできるような簡単な計算ミス
何度も書いたことのある漢字の送り仮名の間違い
といったものは、典型的なケアレスミスにあたるでしょう。
本当にそれ、ケアレスミス?
授業でよくあるのが、以下のようなパターンです。
ケース1:大枠の考え方が間違っているのに…
ある問題で、途中に計算ミスがあったとします。でもよく見てみると、そもそもの解き方自体が間違っていたなんてこと、ありませんか?
この場合、たしかに計算ミスという点だけを見れば「ケアレスミス」かもしれません。
でも、解法の土台が崩れている時点で、これはもはや「不注意」ではなく理解不足や勘違いによるミスです。つまり、ケアレスミスではないんです。
ケース2:英語の長文問題でのミス
たとえば、英語の長文問題で小問を間違えたとします。
「ちゃんと読んでなかったから…」と答えると、一見ケアレスミスのように聞こえますが、実際はどうでしょう?
よくよく掘り下げてみると、
・単語の意味を勘違いしていた
・文法知識が不十分だった
・読むべき場所を見落としていた
など、読む力の土台部分に原因があることが多いです。
これも、注意力だけの問題ではありませんから、ケアレスミスとは言えないのです。
ミスの原因を深掘りしよう
このように、「ケアレスミスだ」と思っていたものが、実はそうではなかったというケースはかなり多いです。
だからこそ、ミスをしたときにはその原因をしっかりと見極めてほしいのです。
「これは本当に注意不足で起きたミスなのか?」
「根本に、理解不足や準備不足があったのではないか?」
こうした視点を持つことで、今後の学習にも大きく差が出てきます。
まとめ
ケアレスミスは、あくまで注意していれば防げたミスのこと。
だからこそ、自分のミスをすぐに「ケアレスミスだった」と片付けてしまうのはもったいない。
一つひとつのミスに向き合い、その背景にある原因をしっかり分析すること。
それが、本当の意味での「ミスを減らす」ことにつながっていきます。
ぜひ、これからの勉強で意識してみてください。