無償化なら私立高校のほうがオトクなの??
こんにちは!
最近、「高校の授業料が無償化されたって聞いたけど、だったら私立高校のほうが実はおトクなのでは…?」なんて声を聞くことが増えてきました。確かに、パッと聞くとそんなふうに思えてきますよね。今日はこの「無償化」と「私立高校、実はおトク説」について、少しだけ深掘りしてみたいと思います。
さて、まずはざっくりと「授業料の無償化」について説明しておきます。
現在、多くのご家庭で「高等学校等就学支援金制度(こうとうがっこうとうしゅうがくしえんきんせいど)」という制度を使って、高校の授業料が実質的に無償になっています。これは、家庭の年収に応じて国から支援金が出る仕組みです。公立高校はもちろん、一定の年収以下であれば私立高校にも支援金が出るため、場合によっては「私立でも授業料タダになるんだ!」というわけです。
それを聞くと、「だったら設備も整ってて、進学実績もある私立に行ったほうがいいんじゃない?」と思ってしまうのも無理はありません。
でも、ここでちょっと立ち止まって考えてみましょう。
授業料は確かに無償になります。けれど、学校生活で必要になるお金って、それだけじゃないんです。
例えば、入学金。私立高校ではこれが数十万円かかることも珍しくありません。さらに、施設費や教育充実費、制服代、タブレット端末の導入費用など、「えっ、そんなにかかるの…?」という項目がもりもり出てきます。加えて、部活動費、修学旅行、模試、課外授業など、学校によっては公立よりも手厚い分、出費もかさむ傾向にあります。
つまり、「授業料が無料」というのは、あくまで全体の一部。支援金ではカバーしきれない費用も多く、「トータルで見ると結構な金額だった…」というケースもあるんですね。
とはいえ、「だから私立はダメです!」なんてことが言いたいわけではありません。
大切なのは、「授業料がタダだからおトク」という短期的な見方だけで判断するのではなく、自分たちの価値観やお子さんの個性に合った学校選びをすることだと思うんです。
私立の中には、特色ある教育をしているところもたくさんあります。探究型の授業が充実していたり、留学制度があったり、自分の得意分野を伸ばせる環境が整っている学校も少なくありません。そういった面に魅力を感じて通うのであれば、それは十分「価値ある投資」だと思います。
逆に、公立高校にも、地域とのつながりが強かったり、先生との距離が近くて丁寧な指導があったり、安心して通える良さがあります。学費を抑えたいけれど、しっかりとした進学サポートがほしいという家庭には、むしろピッタリかもしれません。
というわけで、「無償化=私立のほうがオトク」というのは、必ずしもそうとは限らないんです。
大事なのは、「何がタダになるのか?」「それ以外にどれくらいお金がかかるのか?」をちゃんと理解した上で、目先の“おトク感”にとらわれず、長い目で見た“自分たちに合った選択”をすることだと思います。
なんでも無料という言葉には惹かれがちですが、本当においしい話には、たいてい“但し書き”がついているものです。とはいえ、制度をうまく活用すれば、教育の選択肢はぐんと広がるのも事実。焦らず、でもちゃんと調べて、納得できる進路選びをしていきたいですね!