大学入試はこう変わる!
こんにちは!
今日は「大学入試はこれからどう変わるの?」というテーマでお話ししたいと思います。最近ニュースや保護者会でも「総合型選抜が増えるらしい」「探究学習が大事らしい」と耳にしてドキッとした方、多いのではないでしょうか。一般入試(いわゆる共通テスト+二次試験)一本だった時代に育った私たち大人から見ると、制度が一気にカラフルになって戸惑いますよね。
まず数字から確認します。2025年度の学校推薦型・総合型選抜の志願者は前年比でおよそ17%増えました。特に共通テストを課さない方式を採用した学部が大幅に拡大したことが後押しになったようです。(passnavi.obunsha.co.jp)
一般選抜の枠ももちろん残りますが、大学側は「高校での学びのプロセス」や「主体的に課題を解決した経験」を重視する方向へ確実に舵を切っています。受験方式そのものが「点数」から「ストーリー」へシフトしつつある、というわけです。
なぜそうなるのか。背景にあるのは高校の新科目「総合的な探究の時間」です。これは生徒自身がテーマを設定し、調査し、まとめ、発表する――ざっくり言うと“課題研究の授業版”です。2022年度の必修化から3年たち、2025年現在では探究活動が部活動や地域連携と結びつき、本格的に定着し始めています。(bestjuku.com)
大学側は「どんな探究をしてきたか」を入試書類で詳しく尋ねるようになり、面接やプレゼンで深掘りするケースも増えています。
ここでよく耳にするアドバイスが「とにかく実績を作れ」です。全国コンテストで賞を取れ、論文を書け、海外ボランティアへ行け――耳が痛くなるほど聞きます。でも、この助言、実は落とし穴があります。子どもが興味のないテーマで無理やり成果を追いかけると、面接で一瞬で見抜かれますし、何より探究本来の楽しさを失いがちです。
とはいえ、実績がゼロでいいわけでもありません。ポイントは「好きだから深掘りした」の流れを保護者が応援することです。例えば鉄道が大好きなお子さんなら、駅のバリアフリーをテーマに地元自治体へアンケートを取る。ゲーム好きなら、eスポーツと学業両立の仕組みを学校に提案してみる。身近で具体的な課題こそ、探究の第一歩になりやすいです。
さらに、高校探究はチーム活動になるケースが多いです。意見がぶつかり、役割分担がうまくいかず、モヤモヤが溜まります。ここで保護者が「リーダーになりなさい」と急かすより、「進まなくて当たり前だよ」と一拍おいて声をかけると、子どもは自分たちで次の手を考え始めます。探究で評価されるのは結果よりプロセスです。失敗の記録すら合否を左右する“ネタ”になります。
「でもうちの子は理科も国語も平均点。探究なんて無理では?」と心配になるかもしれません。実際、探究が得意=オール5というわけではないです。むしろ、教科学習で伸び悩む子が探究で自信をつける事例も珍しくありません。興味を育てる環境づくりに目を向けると、成績表の数字とは別の強みが見えてきます。
最後に、今からできる具体的なアクションを三つ。
-
家庭で「なぜそう思う?」と問い返す習慣をつくる。答えのない問いに慣れる練習です。
-
学校外の大人と話す機会を用意する。地域イベントや職業講話など、小さな接点で十分です。
-
成果物を残す。レポートでも動画でもポスターでも、形にしておくと入試書類で活きます。
というわけで、大学入試のメインストリームは着実に「探究×総合型」へ移りつつあります。でも焦る必要はありません。子どもが好奇心に火をつける瞬間を、ちょっと面白がりながら待つ。保護者にできる最大のサポートは、実はそれかもしれません。