2025年4月14日以降4月30日までに実施された「令和7年度全国学力・学習状況調査」の調査結果資料【都道府県別】が2025年9月30日に発表されました。その中で特に気になるのが都道府県別の通塾率です。地域ごとに異なる通塾の実態は、子どもの教育環境選びにおいて重要な指標となります。本記事では、各都道府県の通塾率を詳しく分析します。
調査の概要と通塾率の定義
令和7年度全国学力調査の概要
2025年4月17日に実施された「令和6年度全国学力・学習状況調査」は、国・公・私立学校の小学校第6学年、中学校第3学年の原則全児童生徒を調査対象としています。この調査により、学力や学習状況に関する詳細なデータが得られ、その結果は教育政策や地域ごとの教育支援策の基礎資料として利用されます。学力調査では、国語、算数、数学、学習状況調査では生活習慣や学習環境等に関する調査が行われました。この中でジュクサガスが特に注目しているのが、塾に通う生徒の割合、すなわち「通塾率」のデータです。
- 令和7年度全国学力・学習状況調査の調査問題・正答例・解説資料について
https://www.nier.go.jp/25chousa/25chousa.htm - 令和7年度 全国学力・学習状況調査 調査結果資料 【都道府県別】
https://www.nier.go.jp/25chousakekkahoukoku/factsheet/prefecture_city.html
通塾率の定義
本記事では、令和7年度全国学力・学習状況調査における児童質問調査と生徒質問調査内の以下の質問を基に通塾率を算出しています。
- 教わっていない
- 学校の勉強より進んだ内容や、難しい内容を教わっている
- 学校の勉強でよく分からなかった内容を教わっている
- 上記 2 、 3 の両方の内容を教わっている
- 上記 2 、 3 の内容のどちらともいえない
この中で「2. 学校の勉強より進んだ内容や、難しい内容を教わっている」「3. 学校の勉強でよく分からなかった内容を教わっている」「4. 上記 2 、 3 の両方の内容を教わっている」「5. 上記 2 、 3 の内容のどちらともいえない」を選んだ児童・生徒の割合を合計したものを通塾率としています。
都道府県別の通塾率詳細
都道府県別通塾率比較表(公立)
全国平均:小6通塾率 43.9%|中3通塾率 56.9%
| 都道府県 | 小6通塾率 (全国順位) | 中3通塾率 (全国順位) |
|---|---|---|
| 北海道 | 33.5%(36) | 46.1%(32) |
| 青森県 | 26.9%(45) | 28.6%(46) |
| 岩手県 | 25.6%(46) | 27.3%(47) |
| 宮城県 | 35.5%(30) | 49.9%(25) |
| 秋田県 | 22.8%(47) | 30.7%(45) |
| 山形県 | 28.3%(44) | 32.1%(44) |
| 福島県 | 30.1%(42) | 40.0%(40) |
| 茨城県 | 38.0%(24) | 52.0%(22) |
| 栃木県 | 20.0%(23) | 52.9%(20) |
| 群馬県 | 40.1%(21) | 53.8%(18) |
| 埼玉県 | 45.4%(11) | 64.0%(6) |
| 千葉県 | 48.5%(7) | 63.8%(7) |
| 東京都 | 57.9%(1) | 68.2%(2) |
| 神奈川県 | 55.2%(2) | 71.9%(1) |
| 新潟県 | 31.4%(40) | 46.0%(33) |
| 富山県 | 34.5%(31) | 46.8%(31) |
| 石川県 | 32.7%(39) | 43.8%(36) |
| 福井県 | 33.6%(34) | 45.2%(35) |
| 山梨県 | 35.9%(28) | 49.6%(26) |
| 長野県 | 34.2%(32) | 48.4%(27) |
| 岐阜県 | 41.6%(18) | 61.4%(10) |
| 静岡県 | 41.9%(15) | 61.3%(11) |
| 愛知県 | 47.8%(8) | 62.2%(8) |
| 三重県 | 44.5%(12) | 62.1%(9) |
| 滋賀県 | 44.2%(13) | 58.5%(15) |
| 京都府 | 46.4%(9) | 59.9%(13) |
| 大阪府 | 50.9%(4) | 64.4%(5) |
| 兵庫県 | 49.9%(5) | 64.7%(4) |
| 奈良県 | 51.8%(3) | 68.1%(3) |
| 和歌山県 | 49.3%(6) | 61.1%(12) |
| 鳥取県 | 33.5%(36) | 47.3%(29) |
| 島根県 | 28.4%(43) | 39.5%(41) |
| 岡山県 | 41.8%(17) | 54.0%(17) |
| 広島県 | 42.9%(14) | 52.3%(21) |
| 山口県 | 39.1%(23) | 53.0%(19) |
| 徳島県 | 45.7%(10) | 59.1%(14) |
| 香川県 | 41.9%(15) | 58.3%(16) |
| 愛媛県 | 40.7%(19) | 51.9%(23) |
| 高知県 | 40.1%(22) | 38.7%(42) |
| 福岡県 | 37.5%(25) | 51.9%(23) |
| 佐賀県 | 36.3%(27) | 43.6%(37) |
| 長崎県 | 33.9%(33) | 41.6%(38) |
| 熊本県 | 33.6%(34) | 47.0%(30) |
| 大分県 | 35.9%(28) | 45.4%(34) |
| 宮崎県 | 33.1%(38) | 34.3%(43) |
| 鹿児島県 | 30.4%(41) | 40.9%(39) |
| 沖縄県 | 37.5%(25) | 48.4%(28) |
通塾率が高い都道府県トップ5
小6通塾率
| 東京都 | 57.9% |
| 神奈川県 | 55.2% |
| 奈良県 | 51.8% |
| 大阪府 | 50.9% |
| 兵庫県 | 49.9% |
中3通塾率
| 神奈川県 | 71.9% |
| 東京都 | 68.2% |
| 奈良県 | 68.1% |
| 兵庫県 | 64.7% |
| 大阪府 | 64.4% |
小6の通塾率が高い都道府県の総括
小6の通塾率が高い都道府県(東京都、神奈川県、奈良県、大阪府、兵庫県)は、早期から進学準備に力を入れる傾向が強い地域です。特に東京都と神奈川県では中学受験が広く浸透しており、進学塾の存在感が非常に大きいです。奈良県、大阪府、兵庫県といった関西地域も、私立中学進学を視野に入れる家庭が多く、伝統的に教育熱が高いエリアです。これらの地域では都市部の利便性と教育資源の豊富さが背景にあり、保護者の教育意識の高さと相まって、小学校段階から塾通いが一般化しています。教育競争が激しい環境が、小6段階での通塾率の高さを後押ししています。
中3の通塾率が高い都道府県の総括
中3の通塾率が高い都道府県(神奈川県、東京都、奈良県、兵庫県、大阪府)は、高校受験を目前に控えた学年での受験対策需要が色濃く反映されています。神奈川県と東京都では難関校を目指す生徒が多く、受験対策に特化した塾への依存度が高いです。奈良県、兵庫県、大阪府といった関西圏も進学意識が強く、公立・私立を問わず進学校への進学を意識した学習が進められています。いずれの地域も教育熱心な家庭が多く、地域全体で学習塾が充実しており、通塾が高校進学に向けた必須ステップとなっています。家庭の教育投資意識の高さと受験競争の激しさが、中3段階での通塾率上昇の背景となっています。
通塾率が低い都道府県トップ5
小6通塾率
| 秋田県 | 22.8% |
| 岩手県 | 25.6% |
| 青森県 | 26.9% |
| 山形県 | 28.3% |
| 島根県 | 28.4% |
中3通塾率
| 岩手県 | 27.3% |
| 青森県 | 28.6% |
| 秋田県 | 30.7% |
| 山形県 | 32.1% |
| 宮崎県 | 34.3% |
小6の通塾率が低い都道府県の総括
小6の通塾率が低い都道府県(秋田県、岩手県、青森県、山形県、島根県)は、いずれも地方色が強く、教育環境や地域特性が影響しています。これらの地域では人口が少なく、都市部のように多様な進学塾が存在しないため、選択肢が限られています。また、通塾のための交通手段が限られており、物理的な距離や利便性の低さが通塾率の低下につながっています。さらに、地域の教育文化として学校教育を中心に据える傾向があり、家庭でも「学校で十分」と考える意識が根強いです。経済的背景としても都市部に比べ平均所得が低く、塾にかける費用が家計の負担になりやすいため、結果として小6段階での通塾率は低く抑えられています。
中3の通塾率が低い都道府県の総括
中3の通塾率が低い都道府県(岩手県、青森県、秋田県、山形県、宮崎県)は、高校受験の競争構造が都市部と異なることが背景にあります。これらの地域では公立高校が主流であり、進学先の選択肢が限られるため、激しい受験競争が起きにくい傾向があります。そのため塾を利用した徹底的な受験対策よりも、学校教育や家庭学習を軸とした学習スタイルが多く見られます。交通アクセスの制約や地域における塾の少なさも依然として大きな要因です。加えて、地方経済に根ざした家庭環境では、塾の費用を抑える傾向が強く、塾に通わずとも十分に進学可能という認識が広がっています。これらの要因が重なり、中3であっても通塾率が都市部と比べて低く留まっています。
都道府県別格差をMAPで可視化
小6通塾率

中3通塾率

日本地図で見た通塾率の分布には、地域ごとの教育環境の格差が鮮明に表れています。小6・中3ともに通塾率が高いのは首都圏や近畿地方の大都市圏であり、これらの地域では進学塾や学習機会が豊富に揃い、教育投資が積極的に行われています。特に首都圏では中学受験、高校受験への意識が高く、都市部特有の競争環境が通塾率を押し上げています。
一方で、通塾率が低い地域は東北地方や九州地方の多くの県に見られます。これらの地域では人口減少や教育機関の不足、交通の不便さに加え、平均所得の低さなど経済的な要因も通塾率に影響しています。また、地域によっては学校教育を中心に学習を進める文化が根強く、塾に通わずに進学を目指す風潮が残っていることも背景にあります。
このように、大都市圏と地方部の差は教育環境や家庭の教育投資の在り方に直結しており、日本全体での教育機会の均衡が今後の大きな課題であることが示されています。
まとめ
令和7年度の全国学力・学習状況調査から得られたデータをもとに、各都道府県の通塾率について詳しく解説してきました。通塾率は、地域の教育資源の豊富さや保護者の教育に対する意識によって大きく異なることが分かりました。情報を多方面から検討することで、ご家庭に最適な教育環境を選ぶことができます。さらに、地域ごとのデータを参考にすることで、今後の教育方針や支援策の検討にもつながるでしょう。教育は地域ごとの特性を理解することから始まります。本記事が少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。

2024年都道府県別通塾率データに関する情報はこちら
年度比較される際のご注意
質問調査の内容は毎年異なっており、それに合わせて通塾率の定義も変更しております。
したがって、年度ごとの通塾率を単純に比較することはできません。
データをご参照の際は、各年の設問内容と定義の違いをご確認のうえでご判断ください。
2024年4月18日に実施された「令和6年度全国学力・学習状況調査」の調査結果資料が2024年7月29日に発表されました。その中で特に気になるのが都道府県別の通塾率です。地域ごとに異なる通塾の実態は、子どもの教育環境選びにおいて重要な指標となります。本記事では、各都道府県の通塾率を詳しく分析します。
調査の概要と通塾率の定義
令和6年度全国学力調査の概要
2024年4月18日に実施された「令和6年度全国学力・学習状況調査」は、国・公・私立学校の小学校第6学年、中学校第3学年の原則全児童生徒を調査対象としています。この調査により、学力や学習状況に関する詳細なデータが得られ、その結果は教育政策や地域ごとの教育支援策の基礎資料として利用されます。学力調査では、国語、算数、数学、学習状況調査では生活習慣や学習環境等に関する調査が行われました。この中でジュクサガスが特に注目しているのが、塾に通う生徒の割合、すなわち「通塾率」のデータです。
- 令和6年度全国学力・学習状況調査の調査問題・正答例・解説資料について
https://www.nier.go.jp/24chousa/24chousa.htm - 令和6年度 全国学力・学習状況調査 調査結果資料 【都道府県別】
https://www.nier.go.jp/24chousakekkahoukoku/factsheet/prefecture-City.html
通塾率の定義
本記事では、令和6年度全国学力・学習状況調査における児童質問調査と生徒質問調査内の以下の質問を基に通塾率を算出しています。
- 学校の部活動に参加している
- 家で勉強や読書をしている
- 地域の活動に参加している(地域学校協働本部や地域住民などによる学習・体験プログラムを含む)
- 学習塾など学校や家以外の場所で勉強している
- 習い事(スポーツに関する習い事を除く)をしている
- スポーツ(スポーツに関する習い事を含む)をしている
- 家でテレビや動画を見たり、ゲームをしたり、SNSを利用したりしている
- 家族と過ごしている
- 友達と遊んでいる
- 1~9に当てはまるものがない
この中で「4. 学習塾など学校や家以外の場所で勉強している」を選んだ生徒の割合を通塾率としています。
都道府県別の通塾率詳細
都道府県別通塾率比較表(公立)
全国平均:小6通塾率 24.4%|中3通塾率 38.5%
| 都道府県 | 小6通塾率 (全国順位) | 中3通塾率 (全国順位) |
|---|---|---|
| 北海道 | 15.9%(35) | 30.4%(27) |
| 青森県 | 11.7%(45) | 17.9%(46) |
| 岩手県 | 10.1%(47) | 15.6%(47) |
| 宮城県 | 17.5%(30) | 33.4%(23) |
| 秋田県 | 11.4%(46) | 21.5%(43) |
| 山形県 | 12.4%(44) | 19.9%(45) |
| 福島県 | 14.4%(42) | 28.8%(33) |
| 茨城県 | 22.8%(17) | 35.2%(20) |
| 栃木県 | 20.0%(23) | 35.6%(19) |
| 群馬県 | 20.4%(22) | 37.2%(17) |
| 埼玉県 | 26.3%(9) | 47.1%(4) |
| 千葉県 | 27.7%(6) | 45.9%(5) |
| 東京都 | 38.0%(1) | 49.6%(2) |
| 神奈川県 | 33.4%(2) | 52.5%(1) |
| 新潟県 | 14.7%(40) | 28.4%(36) |
| 富山県 | 17.3%(32) | 29.9%(32) |
| 石川県 | 15.1%(39) | 26.9%(37) |
| 福井県 | 18.1%(26) | 28.8%(33) |
| 山梨県 | 17.3%(32) | 32.2%(26) |
| 長野県 | 17.7%(29) | 30.2%(28) |
| 岐阜県 | 20.8%(21) | 41.2%(8) |
| 静岡県 | 21.9%(20) | 39.7%(10) |
| 愛知県 | 25.6%(10) | 40.8%(9) |
| 三重県 | 22.7%(19) | 39.4%(11) |
| 滋賀県 | 23.6%(15) | 38.1%(15) |
| 京都府 | 27.3%(7) | 39.0%(13) |
| 大阪府 | 28.6%(5) | 43.7%(7) |
| 兵庫県 | 29.0%(4) | 44.3%(6) |
| 奈良県 | 30.4%(3) | 47.3%(3) |
| 和歌山県 | 27.1%(8) | 39.3%(12) |
| 鳥取県 | 17.4%(31) | 30.0%(30) |
| 島根県 | 13.0%(43) | 23.3%(41) |
| 岡山県 | 22.8%(17) | 32.9%(25) |
| 広島県 | 24.2%(14) | 34.5%(21) |
| 山口県 | 18.3%(24) | 33.4%(23) |
| 徳島県 | 24.9%(12) | 37.8%(16) |
| 香川県 | 23.0%(16) | 38.5%(14) |
| 愛媛県 | 24.5%(13) | 35.8%(18) |
| 高知県 | 25.4%(11) | 21.8%(42) |
| 福岡県 | 17.8%(27) | 34.4%(22) |
| 佐賀県 | 17.2%(34) | 23.9%(40) |
| 長崎県 | 17.8%(27) | 26.3%(38) |
| 熊本県 | 15.7%(37) | 30.2%(28) |
| 大分県 | 15.8%(36) | 28.8%(33) |
| 宮崎県 | 15.6%(38) | 20.9%(44) |
| 鹿児島県 | 14.5%(41) | 25.6%(39) |
| 沖縄県 | 18.3%(24) | 30.0%(30) |
通塾率が高い都道府県トップ5
小6通塾率
| 東京都 | 38.0% |
| 神奈川県 | 33.4% |
| 奈良県 | 30.4% |
| 兵庫県 | 29.0% |
| 大阪府 | 28.6% |
中3通塾率
| 神奈川県 | 52.5% |
| 東京都 | 49.6% |
| 奈良県 | 47.3% |
| 埼玉県 | 47.1% |
| 千葉県 | 45.9% |
小6の通塾率が高い都道府県の総括
小6の通塾率が高い都道府県(東京都、神奈川県、奈良県、兵庫県、大阪府)は、進学準備が早期に始まる地域です。特に東京都と神奈川県では中学受験が一般的であり、多くの進学塾が存在し、子供たちは小学校から高度な学習を求められます。親の教育熱心さも強く、進学塾への投資が盛んです。関西地域の奈良県、兵庫県、大阪府も伝統的に教育に力を入れている地域で、特に私立中学への進学を目指す家庭が多いです。これらの地域では、学習塾が充実しており、教育競争が激しい環境が小6の通塾率の高さを支えています。都市部の利便性と豊富な教育リソースが通塾率を押し上げています。
中3の通塾率が高い都道府県の総括
中3の通塾率が高い都道府県(東京都、神奈川県、奈良県、埼玉県、千葉県)は、高校受験を控えた学年であり、受験対策が非常に重要視される地域です。東京都と神奈川県では、難関高校への進学を目指す生徒が多く、進学塾が盛んです。奈良県も同様に、進学校への進学を目指して多くの生徒が塾に通います。埼玉県と千葉県は首都圏に位置し、競争の激しい教育環境であるため、通塾が一般的です。これらの地域では、進学実績の高い高校が多く、受験に対するプレッシャーが強いため、塾での学習が重要視されています。家庭の教育意識の高さと充実した教育インフラが、中3の通塾率の高さを支えています。
通塾率が低い都道府県トップ5
小6通塾率
| 岩手県 | 10.1% |
| 秋田県 | 11.4% |
| 青森県 | 11.7% |
| 山形県 | 12.4% |
| 島根県 | 13.0% |
中3通塾率
| 岩手県 | 15.6% |
| 青森県 | 17.9% |
| 山形県 | 19.9% |
| 宮崎県 | 20.9% |
| 秋田県 | 21.5% |
小6の通塾率が低い都道府県の総括
小6の通塾率が低い都道府県(岩手県、秋田県、青森県、山形県、島根県)は、主に教育機関や塾の数が少ないことが原因です。これらの地域では、人口密度が低く、通塾のための交通手段も限られているため、物理的な距離や交通の不便さが通塾率の低さに影響しています。また、地方特有の教育文化や家庭環境では、学校教育が主要な学習の場であり、塾の必要性が都市部ほど高くありません。さらに、地方では都市部に比べて平均所得が低く、塾の費用が家計に大きな負担となるため、通塾率が低くなっています。
中3の通塾率が低い都道府県の総括
中3の通塾率が低い都道府県(岩手県、青森県、山形県、宮崎県、秋田県)は、高校進学に対する競争が都市部ほど激しくないことが主な要因です。地方では公立高校が多く、受験に対するプレッシャーが低いため、塾に通う必要性が少ないです。また、塾の数が少なく交通手段も限られているため、通塾が難しい状況にあります。加えて、地方の平均所得が低く、塾の費用が家計に大きな負担となるため、通塾率が低くなっています。地方特有の教育文化や家庭の支援も影響し、塾に頼らず進学を目指す風潮があります。
都道府県別格差をMAPで可視化
小6通塾率

中3通塾率

日本地図で見ると、教育環境の地域格差が顕著に現れます。通塾率が高い都道府県は、主に首都圏と近畿地方の大都市圏に集中しています。これらの地域では進学塾が豊富に存在し、教育への投資が活発であるため、通塾率が高くなっています。一方、通塾率が低い都道府県は、東北地方や中国地方の地方部に多く見られます。これらの地域では、教育機関や塾の数が少なく、交通手段の不便さや経済的な要因も影響しているため、通塾率が低いです。地理的な要因と地域経済の違いが、教育へのアクセスと投資の差を生み出していると言えます。
まとめ
令和6年度の全国学力・学習状況調査から得られたデータをもとに、各都道府県の通塾率について詳しく解説してきました。通塾率は、地域の教育資源の豊富さや保護者の教育に対する意識によって大きく異なることが分かりました。情報を多方面から検討することで、ご家庭に最適な教育環境を選ぶことができます。さらに、地域ごとのデータを参考にすることで、今後の教育方針や支援策の検討にもつながるでしょう。教育は地域ごとの特性を理解することから始まります。本記事が少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。