『話の前提を共有する!』
◇今回は、コミュニケーションの前提について
書きたいと思います。
◇アメリカの心理学者が、コミュニケーションに関する実験をしました。
どういう実験かというと、二人一組になって、
一方が手で机を叩いて相手に曲名を知らせるという実験です。
実験する前は、かなりの人が曲名は当たるだろうと思っていたそうですが、
結果は大外れだったそうです。相手に対してただ手で机を叩くだけでは、
曲名は、全く伝わらなかったのです。
◇私もこの実験を知って、数年前に子育て講演会で、
参加していただいた15名のお母さん、お父さんに同じようなことを行ってみました。
まずシンプルな曲の「さくら」を机を叩いて聞かせてみました。
なんと一名のお父さんが正解でした。その他の14名の方は、
全く曲名すら思いつきませんでした。続いて、
スマップの「夜空ノムコウ」を叩きましたが、誰もわかりませんでした。
誰からも曲名すら出てこなかったのです。
そこで、今のは、スマップの曲ですとヒントを与えてみたら、
数名の方が、すかさず答えを言ってくれました。
◇この実験で分かったことは、コミュニケーションを理解するためには、
理解する前提なり、理解を助ける文脈が大切だということです。
自分だけで思っていることは、子どもには全く分からない可能性があるのです。
ですから話をする前に、相手に話の前提を示さなくてはならないのです。
前提や文脈を、親と子どもが共有してこそ、話の理解が図れるのです。
そのことを、この実験は教えているのです。
頭の中に音楽が流れているからこそ、手を叩くだけで曲になっていくのです。
もし、そういう音楽が頭の中に流れていなければ、
手で机を叩く音と音楽が結びつかないので、曲にならないのです。
◇つまり、子どもと話す時は、子どもと前提を共有することです。
子どもが理解する文脈で話をすることです。そうしなければ、
スムーズなコミュニケーションは図れないと思った方が良いのです。