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 川浦教育システム 塾ブログ

2019.12.01
英語民間試験延期 大学共通テスト 24年度に新制度

 萩生田文部科学相は11月1日、大学入学共通テストでの英語民間試験の活用について、2020年度からの実施を見送ると発表しました。検討会議を作り、今後1年をめどに、民間試験の活用の是非を含めて検討する予定です。現在の大学入試センター試験に代わる大学入学共通テストは予定通り2021年1月から実施されます。新たな英語試験は2024年度の大学入試からの実施を目指します。英語民間試験の活用見送りに伴い、11月1日から予定されていた2020年度の受験に必要な共通IDの申し込みの受け付けは停止されました。大学入試制度が実施直前に変更されることになり、導入に向けて動き出していた大学や高校などの教育現場は大混乱に陥りました。

「実施環境作れず」文科相陳謝

 萩生田大臣は会見で「文科相として、自信を持って受験生にお勧めできるシステムにはなっていない。これ以上、決断の時期を遅らせることは混乱を一層大きくしかねない」として、見送りの理由を説明しました。そのうえで、「制度設計の準備期間が4年間あったにもかかわらず、今日まできちんと試験ができる環境を作り上げることができなかった。我々、文科省の責任だ」と陳謝しました。

 英語民間試験の活用を含む入試改革は、大学入試センター試験に代わる新試験の導入を盛り込んだ政府の教育再生実行会議の2013年の提言を踏まえたものです。文科相の諮問機関「中央教育審議会」の2014年答申に基づき、文科省は2017年7月に民間試験の活用を含む大学入学共通テストの実施方針を公表。試験団体との協定締結などを進めてきました。

 しかし、高校の現場からは英語民間試験は試験会場が都市部に集中しがちで、離島やへき地の受験生は交通費などの経済負担が重いなどとして、経済的、地理的な条件で受験機会に差が生じるとの批判が根強く出ていました。全国高校長協会は9月、「不安が解消されていない」として、活用延期と制度設計の見直しを求める要望書を文科省に提出していました。

 英語民間試験を巡っては、萩生田大臣がテレビ番組で「自分の身の丈に合わせて勝負してもらえれば」などと発言。野党などから地域や経済格差を容認するものだという批判を受け、謝罪と発言の撤回に追い込まれた経緯があります。

◆英語民間試験=大学入試で「読む・聞く・話す・書く」の4技能を測ることを目的に、大学入学共通テストの成績と合わせて合否判定などに使う計画でした。対象は実用英語技能検定(英検)など民間6団体7種類の試験。受験料が1回2万円を超える試験もあり、受験年度に受けた2回までの成績を国の英語成績提供システムに登録し、志願先に提出する仕組みでした。

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英語試験「丸投げ」、甘すぎる見通し 文科省に不満噴出

 2020年度から始まる大学入学共通テストで予定していた英語の民間試験の活用が、本番5カ月前に見送られた大きな要因となったのが、文科省が一連の対応を「民間任せ」にしてきたことです。地方在住者も受けやすい会場数の確保や家計が苦しい生徒の受験料の軽減が進まず、最後まで受験機会の格差を解消できませんでした。2024年度の導入を目指す新制度は、民間試験を活用するかも含め「白紙」となりました。

 現在の主に高校2年生が受験する入試から、大学入試センター試験に代わり大学入学共通テストが始まります。英語は民間試験の活用で「読む・聞く・話す・書く」の4技能を評価することが目玉でした。特に「話す」試験について、一斉に数十万人が受験したり短時間に採点をしたりすることが難しく、国の方針に従って、大学入試センターは2018年3月に8種類の民間試験を活用することを決めました。

 各団体が受験人数を予想するのが難しかったり、他団体の出方をうかがったりするなどして、試験日程や会場の公表が進みませんでした。試験の詳細が決まらないことで、大学側も活用するか決められない悪循環になりました。「高校や大学、さらに国会議員などから寄せられる要望を、実行可能かどうか考慮せず、業者に言ってくることが多かった」。ある団体関係者は、課題の対応を業者に「丸投げ」してくる文科省などに不満を漏らしました。一方で、団体との協定が契約や委託の形はとっておらず、文科省には試験の実施について命令する権限はありません。団体側は利益のことを考え、赤字となるような運営はできず、対応は限られました。今年7月には参加を予定していたTOEICが「スタートに間に合わない」と離脱。9月には、全国高校長協会が民間試験の導入延期を文科省に要望する異例の事態に発展しました。

大学共通テスト「記述式」、採点の公正性に不信感

 2021年1月に始まる大学入学共通テストで出題される記述式問題を巡り、採点の公正性に対する不信感が高まっています。自己採点も難しく、文部科学省は、国公立大に国語の記述式問題を2段階選抜の判断材料としないよう要請する検討を開始しました。導入の延期が決まった英語民間試験とともに大学入試改革の柱だった記述式ですが、先行きが不透明になっています。

揺らぐ信頼性

 「採点業務の中立性、信頼性に疑念を招く。厳重に抗議し、是正を促したい」11月20日の衆院文部科学委員会で、教育大手ベネッセコーポレーションが、記述式の採点基準に助言することを記した資料を営業に利用していた、との野党委員の指摘に対し、萩生田文科相は厳しい表情でこう答えました。共通テストの採点業務は、ベネッセグループの学力評価研究機構が請け負います。大学入試センターと同機構の契約書には「(採点を)受諾することを利用して取引を誘引し、中立性や信頼性を損なってはならない」とあり、野党委員は「利益相反、契約違反だ」と批判。ベネッセ側は11月21日、文科省から注意を受けたことを明らかにし、「取引を誘引する意図はありません」とコメントしました。

 採点の信頼性も揺らいでいます。本番は、約20日間でアルバイトの大学生を含む、約1万人が約50万人分の採点を行うとされます。これに対し、受験生は「信頼できるのか」と不信感を募らせています。また、同機構は本番前に問題や正答例を見て採点マニュアルを作るため、情報の漏えいも懸念されています。

自己採点とずれ

 記述式を巡っては、以前から自己採点の難しさが課題とされていた。昨年の試行調査(プレテスト)では、約3割の受験生が国語の記述式で自己採点と実際の評価が一致しませんでした。本番の共通テストは、国公立大の1次試験に相当します。受験生は自己採点の結果で出願先を決めるため、ズレが大きいと共通テストの成績で受験生を絞り込む2段階選抜で「門前払い」となる恐れもあり、高校現場から改善を求める声が高まっていました。 

合否判定に使える?

 萩生田文科相は11月15日、国語の記述式の成績を2段階選抜の判断材料としないよう、国公立大に要請する検討を始めたことを表明しました。しかし、関係者は「『2段階選抜に使うな』と言われるような問題なら、合否判定にも使えるはずがない」「国公立大の多くは、センター試験と2次試験の点数を合算して合否を決める。記述式を合否判定に活用する国公立大は、大きく減る可能性がある」と批判しています。

5段階評価 活用に差

 大学入学共通テストの国語はマーク式が200点満点、記述式はマーク式とは別にA~Eの5段階評価で示されます。数学は、記述式を含めて100点満点です。国語の記述式の利用方法は、大学により異なります。一方、約6割の国立大は具体的な配点などを公表していません。東京大は、国会などで記述式問題への反対論が根強いことから、「具体的な活用方法は、最終的な結論が出た段階でないと混乱をもたらす」(副学長)などとして、議論の推移を見守っています。東北大は「(個別試験で)より高度な問題を出題している。段階別評価を点数化した場合、点数の差が本来の成績差を合理的に反映しない」などとして、一律に点数化して加点はしない方針を明らかにしています。 

◆記述式問題=大学入学共通テストの国語と数学Iと数学I・Aでそれぞれ3問出題され、国語は最大120字程度の文章を、数学は数式などを書かせます。現行制度の「知識偏重、1点刻み」からの脱却を目指し、思考力や判断力、表現力を評価する狙いで導入が決まりました。

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